空き家倒壊のリスクと地震の教訓
2025年12月11日
最終更新日時 :
2025年12月11日
管理スタッフ
令和7年12月8日、青森県東方沖で最大震度6強の地震が発生し、地域によっては空き家の倒壊が確認されています。これを受け、「もし自分の親が残した老朽化した空き家が被害を受けていたら」と心配された方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は名義変更をせずに放置することのリスクについてお話ししたいと思います。
地震が示す「他人事ではないリスク」
特に注意したいのは、相続手続が完了していない空き家が倒壊した場合、管理責任が相続人全員に及ぶ可能性があるという点です。民法上、相続が発生すると、相続人全員が遺産の管理義務を共有することになり、名義が被相続人のままだとしても、その責任を免れることはできません。
相続登記を早めに行うべき理由
相続登記を放置すると、次のような問題が発生します。
- 管理責任の所在が不明確になる
- 売却や解体の判断ができない
- 相続人間のトラブルが激化する
そして何より、事故が起きたときに「何もしていなかった」という事実自体が不利に扱われることがあります。また、登記名義が被相続人のままであっても、相続人全員が「実質的な所有者」と評価される余地があることが、裁判例でも示されています。
地震などの災害を契機として見直しを
空き家は居住している建物に比べて劣化に気づきにくく、問題が生じてから初めて管理が必要であることに気づくケースも少なくありません。災害への備えというよりも、日頃の管理体制を整える一環として、相続登記や空き家の現状確認を行うことが大切です。
「備えあれば憂いなし」と言われるように、防災の備えは食料品だけでなく、空き家や相続手続きを見直すことも大切です。いま少し気を配っておくことで、将来の不安が減り、ご家族も安心して暮らすことができます。気になる点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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